【介護】業務継続計画未実施減算のポイント【令和6年度介護報酬改定】
【介護】業務継続計画未実施減算のポイント【令和6年度介護報酬改定】
業務継続計画未実施減算は、感染症や災害時でも必要な介護サービスを継続的に提供できるよう、事業者に対し業務継続計画の策定を促すために導入されました。計画が未策定、または計画に従った措置が講じられていない場合、基本報酬が減算されます。ただし、令和7年3月31日までの間、一定の条件を満たす事業所や特定のサービスについては経過措置が適用されます。
概要
感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスを継続的に提供できる体制を構築するため、業務継続に向けた計画の策定の徹底を求める観点から、感染症若しくは災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、基本報酬を減算する。
単位数
【施設・居住系サービス】
業務継続計画未実施減算:所定単位数の100分の3に相当する単位数を減算
【その他のサービス】
業務継続計画未実施減算:所定単位数の100分の1に相当する単位数を減算
※ 居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く
※ 平成18年度に施設・ 居住系サービスに身体拘束廃止未実施減算を導入した際は、 5単位/日減算であったが、各サービス毎に基本サービス費や算定方式が異なることを踏まえ 、 定率で設定。 なお、 その他サービスは、 所定単位数から平均して7単位程度/(日・ 回) の減算となる 。
算定要件等
○ 以下の基準に適合していない場合
・ 感染症や非常災害の発生時において、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(業務継続計画)を策定すること
・ 当該業務継続計画に従い必要な措置を講ずること
※ 令和7年3月31日までの間、感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には、減算を適用しない。訪問系サービス、福祉用具貸与、 居宅介護支援については、令和7年3月31日までの間、減算を適用しない。
○ 1年間の経過措置期間中に全ての事業所で計画が策定されるよう、事業所間の連携により計画策定を行って差し支えない旨を周知することも含め、小規模事業所の計画策定支援に引き続き取り組むほか、介護サービス情報公表システムに登録すべき事項に業務継続計画に関する取組状況を追加する等、事業所への働きかけを強化する。また、県別の計画策定状況を公表し、指定権者による取組を促すとともに、業務継続計画を策定済みの施設・事業所についても、地域の特性に合わせた実効的な内容となるよう、指定権者による継続的な指導を求める。
令和6年度介護報酬改定 Q&A VOL.1~VOL.5
VOL.1
問 164 業務継続計画未策定減算はどのような場合に適用となるのか。
(答)
・ 感染症若しくは災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、かつ、当該業務継続計画に従い必要な措置が講じられていない場合に減算の対象となる。
・ なお、令和3年度介護報酬改定において業務継続計画の策定と同様に義務付けられた、業務継続計画の周知、研修、訓練及び定期的な業務継続計画の見直しの実施の有無は、業務継続計画未策定減算の算定要件ではない。
VOL.1
問 165 業務継続計画未策定減算の施行時期はどのようになるのか。
(答)業務継続計画未策定減算の施行時期は下記表のとおり。
対象サービス | 施行時期 | |
① | 通所介護、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、看護小規模多機能型居宅介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護予防短期入所生活介護、介護予防短期入所療養介護、介護予防特定施設入居者生活介護、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護、介護予防認知症対応型共同生活介護 | 令和6年4月 ※ただし、令和7年3月 31 日までの間、感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には、減算を適用しない。 |
② | 通所リハビリテーション、介護予防通所リハビリテーション | 令和6年6月 ※上記①の※と同じ |
③ | 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、福祉用具貸与、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、居宅介護支援、介護予防訪問入浴介護、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防福祉用具貸与、介護予防支援 | 令和7年4月 |
※居宅療養管理指導、介護予防居宅療養管理指導、特定福祉用具販売及び特定介護予防福祉用具販売には、業務継続計画未策定減算は適用されない。
VOL.1
問 166 行政機関による運営指導等で業務継続計画の未策定など不適切な運営が確認された場合、「事実が生じた時点」まで遡及して当該減算を適用するのか。
(答)
・ 業務継続計画未策定減算については、行政機関が運営指導等で不適切な取り扱いを発見した時点ではなく、「基準を満たさない事実が生じた時点」まで遡及して減算を適用することとなる。
・ 例えば、通所介護事業所が、令和7年 10 月の運営指導等において、業務継続計画の未策定が判明した場合(かつ、感染症の予防及びまん延の防止のための指針及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っていない場合)、令和7年 10 月からではなく、令和6年4月から減算の対象となる。
・ また、訪問介護事業所が、令和7年 10 月の運営指導等において、業務継続計画の未策定が判明した場合、令和7年4月から減算の対象となる。