【介護】高齢者虐待防止措置未実施減算のポイント【令和6年度介護報酬改定】

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概要

○  利用者の人権の擁護、虐待の防止等をより推進する観点から、全ての介護サービス事業者(居宅療養管理指導及び特定福祉用具販売を除く。)について、虐待の発生又はその再発を防止するための措置(虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めること)が講じられていない場合に、基本報酬を減算する。その際、福祉用具貸与については、そのサービス提供の態様が他サービスと異なること等を踏まえ、3年間の経過措置期間を設けることとする。

〇  施設におけるストレス対策を含む高齢者虐待防止に向けた取組例を収集し、周知を図るほか、国の補助により都道府県が実施している事業において、ハラスメント等のストレス対策に関する研修を実施できることや、同事業による相談窓口について、高齢者本人とその家族だけでなく介護職員等も利用できることを明確化するなど、高齢者虐待防止に向けた施策の充実を図る。

単位数

【全サービス】
 高齢者虐待防止措置未実施減算:所定単位数の100分の1に相当する単位数を減算

 ※  居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く
 ※  平成18年度に施設・居住系サービスに身体拘束廃止未実施減算を導入した際は、5単位/日減算であったが、各サービス毎に基本サービス費や算定方式が異なることを踏まえ、定率で設定。なお、所定単位数から平均して7単位程度/(日・回)の減算となる。

算定要件等

○  虐待の発生又はその再発を防止するための以下の措置が講じられていない場合
 ・  虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等の活用可能)を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること。
 ・  虐待の防止のための指針を整備すること。
 ・  従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。
 ・  上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと。
 ※  平成18年度に施設・居住系サービスに身体拘束廃止未実施減算を導入した際は、5単位/日減算であったが、各サービス毎に基本サービス費や算定方式が異なることを踏まえ、定率で設定。なお、所定単位数から平均して7単位程度/(日・回)の減算となる。

○  全ての施設・事業所で虐待防止措置が適切に行われるよう、令和6年度中に小規模事業所等における取組事例を周知するほか、介護サービス情報公表システムに登録すべき事項に虐待防止に関する取組状況を追加する。また、指定権者に対して、集団指導等の機会等にて虐待防止措置の実施状況を把握し、未実施又は集団指導等に不参加の事業者に対する集中的な指導を行うなど、高齢者虐待防止に向けた取組の強化を求めるとともに、都道府県別の体制整備の状況を周知し、更なる取組を促す。

令和6年度介護報酬改定 Q&A VOL.1~VOL.5
VOL.1
問 167 高齢者虐待が発生していない場合においても、虐待の発生又はその再発を防止するための全ての措置(委員会の開催、指針の整備、研修の定期的な実施、担当者を置くこと)がなされていなければ減算の適用となるのか。

(答)
・ 減算の適用となる。

・ なお、全ての措置の一つでも講じられていなければ減算となることに留意すること。

VOL.1
問 168 運営指導等で行政機関が把握した高齢者虐待防止措置が講じられていない事実が、発見した日の属する月より過去の場合、遡及して当該減算を適用するのか。

(答)
過去に遡及して当該減算を適用することはできず、発見した日の属する月が「事実が生じた月」となる。

VOL.1
問 169 高齢者虐待防止措置未実施減算については、 虐待の発生又はその再発を防止するための全ての措置(委員会の開催、指針の整備、研修の定期的な実施、担当者を置くこと)がなされていない事実が生じた場合、「速やかに改善計画を都道府県知事に提出した後、事実が生じた月から三月後に改善計画に基づく改善状況を都道府県知事に報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、入居者全員について所定単位数から減算することとする。」こととされているが、施設・事業所から改善計画が提出されない限り、減算の措置を行うことはできないのか。

(答)
改善計画の提出の有無に関わらず、事実が生じた月の翌月から減算の措置を行って差し支えない。当該減算は、施設・事業所から改善計画が提出され、事実が生じた月から3か月以降に当該計画に基づく改善が認められた月まで継続する。

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