【処遇改善加算】介護職員等処遇改善加算等に関するQ&A【介護】

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参考

令和6年度介護報酬改定における改定事項について
令和6年度介護報酬改定の主な事項

令和6年度介護報酬改定 介護職員等処遇改善加算等に関するQ&A 第2版

賃金改善方法・対象経費
第2版
問1-1 賃金改善の基準点はいつの時点になるのか。

(答)
◼ 「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(老発 0315 第1号 令和6年3月 15 日厚生労働省老健局長通知)(以下「通知」という。)において、介護職員等処遇改善加算(以下「新加算」という。)、介護職員処遇改善加算(以下「旧処遇改善加算」という。)、介護職員等特定処遇改善加算(以下「旧特定加算」という。)及び介護職員等ベースアップ等支援加算(以下「旧ベースアップ等加算」という。)(以下、旧処遇改善加算、旧特定加算、旧ベースアップ等加算を合わせて「旧3加算」という。)を算定する介護サービス事業者又は介護保険施設(介護予防・日常生活支援総合事業の事業者を含む。以下「介護サービス事業者等」という。)は、新加算等の算定額に相当する介護職員その他の職員の賃金(基本給、手当、賞与等(退職手当を除く。以下同じ。)を含む。)の改善(当該賃金改善に伴う法定福利費等の事業主負担の増加分を含むことができる。以下「賃金改善」という。)を実施しなければならないとしている。

◼ 賃金改善の額は、新加算及び旧3加算(以下「新加算等」という。)を原資として賃金改善を実施した後の実際の賃金水準と、新加算等を算定しない場合の賃金水準との比較により、各介護サービス事業者等において算出する。新加算等を算定しない場合の賃金水準は、原則として、初めて新加算等又は交付金等(平成 21 年度補正予算による介護職員支援交付金並びに令和3年度及び令和5年度補正予算による介護職員処遇改善支援補助金をいう。以下同じ。)を算定した年度の前年度における賃金水準とする。

◼ ただし、介護サービス事業者等における職員構成の変動等により、初めて新加算等又は交付金等を算定した年度の前年度における賃金水準を推計することが困難な場合又は現在の賃金水準と比較することが適切でない場合は、新加算等を算定しない場合の賃金水準を、新加算等を除いた介護報酬の総単位数の見込額に基づく営業計画・賃金計画を策定した上で試算する等の適切な方法により算出し、賃金改善額を算出することとしても差し支えない。

◼ また、介護サービス事業所等(介護サービス事業所又は介護保険施設(介護予防・日常生活支援総合事業の事業所を含む)。以下同じ。)を新規に開設した場合については、新加算等を算定しない場合の賃金水準を、新加算等を除いた介護報酬の総単位数の見込額に基づく営業計画・賃金計画を策定する等の適切な方法により算出した上で試算する等の適切な方法により算出し、賃金改善額を算出することとしても差し支えない。

第2版
問1-2 前年度から事業所の介護職員等の減少や入れ替わり等があった場合、どのように考えればよいか。

(答)
◼ 実績報告書における①「令和6年度の加算の影響を除いた賃金額」と②「令和5年度の加算及び独自の賃金改善の影響を除いた賃金額」の比較は、新加算等及び交付金等による賃金改善以外の部分で賃金水準を引き下げていないことを確認するために行うものである。

◼ 一方で、賃金水準のベースダウン(賃金表の改訂による基本給等の一律の引下げ)等を行ったわけではないにも関わらず、事業規模の縮小に伴う職員数の減少や職員の入れ替わり(勤続年数が長く給与の高い職員が退職し、代わりに新卒者を採用した等)といった事情により、上記①の額が②の額を下回る場合には、②の額を調整しても差し支えない。

◼ この場合の②の額の調整方法については、例えば、
 — 退職者については、その職員が、前年度に在籍していなかったものと仮定した場合における賃金総額を推計する
 — 新規採用職員については、その者と同職であって勤務年数等が同等の職員が、本年度に在籍したものと仮定した場合における賃金総額を推計する等の方法が想定される。

第2版
問1-3 「決まって毎月支払われる手当」とはどのようなものか。

(答)
◼ 「決まって毎月支払われる手当」とは、労働と直接的な関係が認められ、労働者の個人的事情とは関係なく支給される手当を指す。

◼ また、決まって毎月支払われるのであれば、月ごとに額が変動するような手当も含む。手当の名称は、「処遇改善手当」等に限る必要はなく、職能手当、資格手当、役職手当、地域手当等の名称であっても差し支えない。

◼ ただし、以下の諸手当は、新加算等の算定、賃金改善の対象となる「賃金」には含めて差し支えないが、「決まって毎月支払われる手当」には含まれない。
 — 月ごとに支払われるか否かが変動するような手当
 — 労働と直接的な関係が薄く、当該労働者の個人的事情により支給される手当(通勤手当、扶養手当等)

第2版
問1-4 時給や日給を引き上げることは、基本給等の引上げに当たるか。

(答)
◼ 基本給が時給制の職員についてその時給を引き上げることや、基本給が日給制の職員についてその日給を引き上げることは、新加算等の算定に当たり、基本給の引上げとして取り扱って差し支えない。また、時給や日給への上乗せの形で支給される手当については、「決まって毎月支払われる手当」と同等のものと取り扱って差し支えない。

第2版
問1-5 キャリアパス要件及び職場環境等要件を満たすために取り組む費用について、賃金改善額に含めてもよいか。

(答)
◼ 新加算等の取扱いにおける「賃金改善」とは賃金の改善をいうものであることから、キャリアパス要件及び職場環境等要件を満たすために取り組む費用については、新加算等の算定に当たり、賃金改善額に含めてはならない。

第2版
問1-6 最低賃金を満たしているのかを計算するにあたっては、新加算等により得た加算額を最低賃金額と比較する賃金に含めることとなるのか。

(答)
◼ 新加算等の加算額が、臨時に支払われる賃金や賞与等として支払われておらず、予定し得る通常の賃金として、毎月労働者に支払われているような場合には、当該加算額を最低賃金額と比較する賃金に含めることとなるが、新加算等の目的等を踏まえ、最低賃金を満たした上で、賃金の引上げを行っていただくことが望ましい。

第2版
問1-7 賃金改善額に含まれる法定福利費等の範囲について。

(答)
◼ 賃金改善額には次の額を含むものとする。
 — 法定福利費(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、児童手当拠出金、雇用保険料、労災保険料等)における、新加算等による賃金改善分に応じて増加した事業主負担分
 — 法人事業税における新加算等による賃金上昇分に応じた外形標準課税の付加価値額増加分

◼ また、法定福利費等の計算に当たっては、合理的な方法に基づく概算によることができる。

◼ なお、任意加入とされている制度に係る増加分(例えば、退職手当共済制度等における掛金等)は含まないものとする。

第2版
問1-8-1 賃金改善実施期間の設定について。

(答)
◼ 賃金改善の実施月(以下「支給時期」という。)については、必ずしも算定対象月と同一ではなくても差し支えないが、例えば、次のいずれかのパターンの中から、事業者が任意に選択することとする。なお、配分のあり方について予め労使の合意を得るよう努めること。

(例:6月に算定する新加算の配分について)
① 6月の労働時間に基づき、6月中に見込額で職員に支払うパターン
② 6月の労働時間に基づき、7月中に職員に支払うパターン
③ 6月サービス提供分の介護報酬が、7月の国保連の審査を経て、8月に各事業所に振り込まれるため、8月中に職員に支払うパターン

第2版
問1-8-2 旧3加算及び令和6年2月からの補助金(以下「補助金」という。)の支給時期と、新加算の支給時期を変更させる場合の取扱い如何。
また、旧3加算及び補助金のそれぞれで支給時期が異なる場合であって、新加算への移行に当たり支給時期を揃えたい場合の取扱い如何。

(答)
◼ 問1-8-1で例示したように、加算の算定対象月と実際の賃金改善の実施月(支給時期)には、当月払い、1か月遅れでの支給、2か月遅れでの支給等のパターンが存在する。

◼ 令和6年6月の旧3加算及び補助金から新加算への移行に際し、支給時期を変更する場合、移行前と移行後の支給時期のパターンによって、それぞれ以下のとおり対応が必要であるため、留意すること。

<パターン①>
◼ 旧3加算及び補助金による賃金改善を2か月遅れで実施、新加算による賃金改善を当月払いで実施(2か月遅れ⇒1か月遅れ、1か月遅れ⇒当月払い等も同様)

⇒ 以下の例のとおり、二重線で囲んだ部分は旧3加算と新加算が二重に支払われる「重複期間」となるが、新加算等の加算額の合計以上の賃金改善を行っていれば、「重複期間」が生じること自体は差し支えない。

その際、「重複期間」の賃金改善の方法として、「重複期間」のみ基本給等の額を引き上げることが困難である場合は、重複期間の賃金改善について、一時金を活用しても差し支えない。

例えば、以下の例の場合、令和6年6・7月には、4・5月分の旧3加算と6・7月 分の新加算を原資とする賃金改善(計4か月分)が必要となるが、6・7月分の新加算 を原資とする賃金改善は基本給等(当月払い)により行い、それに上乗せして、4・5 月分の旧3加算を原資とする賃金改善を一時金により行うこととしても差し支えない。

<パターン②>
◼ 旧3加算及び補助金による賃金改善を当月払いで実施、新加算による賃金改善を2か月遅れで実施

⇒ 以下の例のとおり、二重線で囲んだ部分は旧3加算と新加算がともに支払われない「空白期間」となるが、旧3加算及び新加算のそれぞれについて、加算額以上の賃金改善を行うという要件を満たしているのであれば、加算の配分方法としては差し支えない。

ただし、賃金改善に空白期間が生じることは、職員にとっては賃金の引下げ(不利益変更)に当たると考えられることから、事業者による一方的な変更はできない。賃金改善に空白期間を設けることについて、合理的な理由に基づき適切に労使の合意を得る必要がある。空白期間を設けることについて合意が得られない場合、加算を原資としない独自の賃金改善により、賃金水準の維持が必要になると考えられる。

<(参考)パターン③>
◼ 旧3加算及び補助金による賃金改善を2か月遅れで実施、新加算も同様

⇒ 以下の例のとおり、支給時期について「重複期間」も「空白期間」も生じないことから、問題は生じない。(当月払い⇒当月払い、1か月遅れ⇒1か月遅れ等も同様)

<組み合わせの例>
◼ 旧3加算及び補助金のそれぞれで支給時期が異なる場合であって、新加算への移行に当たりそれぞれの支給時期を揃えたい場合の取扱いについては、上記の3パターンの組み合わせにより対応する。

⇒ 以下の例のとおり、処遇加算・特定加算は当月払い、ベア加算・補助金は2か月遅れでの賃金改善の実施としていた状態から、新加算への移行に伴い、1か月遅れでの賃金改善とする場合、二重線で囲んだとおり、「空白期間」と「重複期間」がそれぞれ生じる。

この場合の取扱いについては、それぞれ上記のパターン①とパターン②を参照すること。

第2版
問1-8-3 支給時期の見直しに伴う「重複期間」の賃金改善の方法として、基本給等ではなく一時金を活用して行った場合であれば、ベースアップ等加算のベースアップ等要件(賃金改善額の3分の2以上をベースアップ等により改善)を満たすことができなくても問題ないか。

(答)
◼ 貴見のとおり。

◼ 問1-8-2<パターン①>の場合について、令和6年4・5月分については、ベースアップ等要件を満たすことができなくても差し支えない。

第2版
問1-8-4 賃金改善を2か月遅れで行っている事業所が廃止になった場合、最終月の支払で3か月分の賃金改善を行う必要があるか。

(答)
◼ 通常の賃金改善の実施のスケジュールに関わらず、最終の賃金の支払までに、加算額以上の賃金改善を行う必要がある。例えば、2か月遅れで賃金改善を実施していた事業所が令和6年5月で廃止になる場合、5月に3~5月分の3か月分の賃金改善を行う必要がある(一時金による精算で可。)。

◼ 加算額以上の賃金改善を行うことができない場合、賃金改善を行えなかった月の加算は返還の対象となる。

第2版
問1-9 実績報告において賃金改善額が新加算等の加算額を下回った場合、加算額を返還する必要があるのか。

(答)
◼ 新加算等の算定要件は、賃金改善額が加算額以上となることであることから、賃金改善 額が加算額を下回った場合、算定要件を満たさないものとして、加算の返還の対象となる。

◼ ただし、不足する部分の賃金改善を賞与等の一時金として介護職員等に追加的に配分することで、返還を求めない取扱いとしても差し支えない。

第2版
問1-10 「令和6年度に 2.5%、令和7年度に 2.0%のベースアップ」は処遇改善加算の算定要件ではなく、各介護サービス事業所・施設等で目指すべき目標ということか。

(答)
◼ 貴見のとおり、今般の報酬改定による加算措置の活用や、賃上げ促進税制の活用を組み合わせることにより、令和6年度に+2.5%、令和7年度に+2.0%のベースアップを実現いただきたい。

◼ なお、新加算の加算額については、令和6・7年度の2か年で全額が賃金改善に充てられていればよいこととしている。令和6年度に措置されている加算額には令和7年度のベースアップに充当する分の一部が含まれているところ、この令和7年度分の一部を前倒しして本来の令和6年度分と併せて令和6年度の賃金改善に充てることや、令和6年度の加算額の一部を、令和7年度に繰り越して賃金改善に充てることも可能である。

第2版
問1-11 繰り越しを行う場合、労使合意は必要か。

(答)
◼ 繰り越しを行うことについて、予め労使の合意を得るよう努めること。

第2版
問1-12 社会福祉法人において繰り越しを行う場合、会計上、繰越金をどのように取り扱えばよいか。

(答)
◼ 新加算等の加算額の一部を令和7年度に繰り越した上で令和7年度分の賃金改善に充てる場合、当該加算額の一部は、令和7年度分の賃金改善に充てる資金として、会計上、積立金に計上することができる(「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の取扱いについて」(平成 28 年 3 月 31 日付雇児発 0331 第 15 号、社援発 0331 第39 号、老発 0331 第 45 号、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長、老健局長連名通知)の 19 積立金と積立資産について参照)。積立金を計上する際は、他の積立金とは分け、積立ての目的を示す名称を付すことが望ましい。

◼ なお、介護報酬にかかる会計処理は、これまでと同様に取り扱われたい。したがって、令和6年度の新加算等の加算額のうち、令和7年度に繰り越した上で令和7年度分の賃金改善に充てる部分についても、令和6年度の加算の算定対象月の収益として計上することとなる。

第2版
問1-13 算定対象月が令和6年度中であっても、賃金改善を実施した期間が令和7年度となった場合、当該賃金改善の原資とした加算の額は「令和7年度への繰越分」に含めるのか。

(答)
◼ 賃金改善の実施について、例えば、新加算による賃金改善を2か月遅れで実施する場合、令和7年3月分の加算額が職員に配分されるのは、令和7年5月となる。

この場合、賃金改善を実施した期間の一部が令和7年度に掛かることになるが、あくまで令和6年度分の通常の加算の配分に含まれるため、当該賃金改善の原資とした加算の額は、「令和7年度への繰越分」に含めない。

◼ 一方、令和6年度分の加算を、通常で令和7年度分の加算の賃金改善を行う期間の賃金改善に充てた場合には、「令和7年度への繰越分」に該当する。例えば、通常2ヵ月遅れで賃金改善を行っている場合、令和7年6月以降に行う賃金改善は、令和7年度分の加算による賃金改善であることから、令和6年度分の加算による賃金改善を令和7年6月以降に行う場合は、当該加算の額は「令和7年度への繰越分」に含まれる。

◼ ただし、何月に実施した賃金改善から「令和7年度への繰越分」に含めるかは、事業所の通常の加算の支給時期に応じて異なるため、個別に判断すること。

第2版
問1-14 通知上、「令和7年度の賃金改善実施期間の終わりまでに事業所等が休止又は廃止となった場合には、その時点で、当該繰越分の残額を、一時金等により、全額、職員に配分しなければならないこととする。」とされているが、ある事業所が休止又は廃止になった場合に、同一法人内の他の事業所の職員に対し「令和7年度の繰越分」を用いた賃金改善を行ってよいか。

(答)
◼ 一時金等により、休止又は廃止となった事業所の職員に配分することを基本とするが、新加算等を一括して申請する同一法人内の事業所の職員に限り、「令和7年度の繰越分」を用いた賃金改善の対象としてもよい。

第2版
問1-15 賃金改善の方法について、労使で事前に協議する必要はあるか。

(答)
◼ 処遇改善計画書の内容及びキャリアパス要件Ⅰ~Ⅲを満たすことの書類については全ての介護職員に周知することが必要であるが、万が一就業規則の不利益変更に当たるような場合にあっては、合理的な理由に基づき、適切に労使の合意を得る必要がある。

第2版
問1-16 事業悪化等により、賃金水準を引き下げることは可能か。

(答)
◼ サービス利用者数の大幅な減少などによる経営の悪化等により、事業の継続が著しく困難であると認められるなどの理由があっても、賃金水準を引き下げる場合には、合理的な理由に基づき適切に労使の合意を得る必要がある。

◼ また、賞与等において、経常利益等の業績に連動して支払額が変動する部分が業績に応じて変動することを妨げるものではないが、新加算等に係る賃金改善は、こうした変動と明確に区分されている必要がある。

第2版
問1-17 基本給は改善しているが、賞与を引き下げることで、あらかじめ設定した賃金改善実施期間の介護職員の賃金が引き下げられた場合の取扱いはどうなるのか。その際には、どのような資料の提出が必要となるのか。

(答)
◼ 新加算を用いて賃金改善を行うために一部の賃金項目を引き上げた場合であっても、事業の継続を図るために、賃金全体として、賃金の高さの水準が引き下げられた場合については、特別事情届出書を提出する必要がある。ただし、賃金全体の水準が引き下げられていなければ、個々の賃金項目の水準が低下した場合であっても、特別事情届出書を提出する必要はない。

◼ 特別事情届出書を提出する場合には、以下の内容を記載すること。
 — 処遇改善加算を取得している介護サービス事業所等の法人の収支(介護事業による収支に限る。)について、サービス利用者数の大幅な減少等により経営が悪化し、一定期間にわたって収支が赤字である、資金繰りに支障が生じる等の状況にあることを示す内容・介護職員の賃金水準の引下げの内容
 — 当該法人の経営及び介護職員の賃金水準の改善の見込み・介護職員の賃金水準を引き下げることについて、適切に労使の合意を得ていること等の必要な手続きを行った旨

◼ なお、介護職員の賃金水準を引き下げた後、その要因である特別な状況が改善した場合には、可能な限り速やかに介護職員の賃金水準を引下げ前の水準に戻す必要がある。

第2版
問1-18 一部の職員の賃金水準を引き下げたが、一部の職員の賃金水準を引き上げた結果、事業所・施設の職員全体の賃金水準は低下していない場合、特別事情届出書の提出はしなくてよいか。

(答)
◼ 一部の職員の賃金水準を引き下げた場合であっても、事業所・施設の職員全体の賃金水準が低下していない場合は、特別事情届出書を提出する必要はない。

◼ ただし、一部の職員の賃金水準を引き下げることは不利益変更に当たると考えられるため、そのような変更を行う場合には、合理的な理由に基づき適切に労使の合意を得る必要がある。

対象者・対象事業者
第2版
問2-1-1 賃金改善の対象者はどのように設定されるのか。

(答)
◼ 新加算等の各事業所内における配分については、介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内での柔軟な職種間配分を認めることとする。

第2版
問2-1-2 新加算等による賃金改善以前の賃金が年額 440 万円以上である職員であっても、新加算等による賃金改善の対象に含めることは可能か。

(答)
◼ 新加算等の各事業所内における配分については、介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内での柔軟な職種間配分を認めることとする。

第2版
問2-2 EPAによる介護福祉士候補者及び外国人の技能実習制度における介護職種の技能実習生は、新加算等の対象となるのか。

(答)
◼ EPAによる介護福祉士候補者と受入れ機関との雇用契約の要件として「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」とされていることに鑑み、EP Aによる介護福祉士候補者が従事している場合、新加算等の対象となる。

◼ また、介護職種の技能実習生の待遇について「日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること」とされていることに鑑み、介護職種の技能実習生が従事している場合、新加算等の対象となる。

◼ なお、介護分野の1号特定技能外国人についても同様に、新加算等の対象となる。

第2版
問2-3 介護職員その他の職員が派遣労働者の場合であっても、新加算等の対象となるのか。

(答)
◼ 派遣労働者であっても、新加算等の対象とすることは可能であり、賃金改善を行う方法等について派遣元と相談した上で、対象とする派遣労働者を含めて処遇改善計画書や実績報告書を作成すること。その際、新加算等を原資とする派遣料等の上乗せが、派遣元から支払われる派遣職員の給与に上乗せされるよう、派遣元と協議すること。

第2版
問2-4-1 在籍型の出向者、業務委託職員についても派遣職員と同様に考えてよいか。

(答)
◼ 貴見のとおり。

第2版
問2-4-2 外部サービス利用型特定施設における委託サービスの介護職員その他の職員であっても、新加算等による賃金改善の対象に含めることは可能か。

(答)
◼ 算定した介護職員等処遇改善加算を委託費の上乗せに充てることで、賃金改善の対象に含めることができる。

◼ その場合は、委託元の計画書・実績報告書において、委託費の上乗せに充てたことを明示するとともに、委託先の事業所は、委託元から支払われた上乗せ分を含めた計画書・実績報告書を作成すること。

第2版
問2-5 賃金改善に当たり、一部の介護職員に賃金改善を集中させることは可能か。

(答)
◼ 新加算等の算定要件は、事業所(法人)全体での賃金改善に要する額が加算による収入以上となることである。

◼ その中で、例えば、一部の職員に加算を原資とする賃金改善を集中させることや、同一法人内の一部の事業所のみに賃金改善を集中させることなど、職務の内容や勤務の実態に見合わない著しく偏った配分は行わないこと。

◼ また、新加算等を算定する介護サービス事業者等は、当該事業所における賃金改善を行う方法等について職員に周知するとともに、介護職員等から新加算等に係る賃金改善に関する照会があった場合は、当該職員についての賃金改善の内容について、書面を用いるなど分かりやすく回答すること。

第2版
問2-6 介護サービスと障害福祉サービス等を両方実施しており、職員が兼務等を行っている場合における介護職員その他の職員の賃金総額はどのように計算するのか。

(答)
◼ 処遇改善計画書に、職員の賃金を記載するにあたり、原則、加算の算定対象サービス事業所における賃金については、常勤換算方法により計算することとしており、同一法人において介護サービスと障害福祉サービスを実施しており、兼務している職員がいる場合においても、介護サービス事業所における賃金について、常勤換算方法による計算をし、按分し計算することを想定している。

◼ 一方で、計算が困難な場合等においては実際にその職員が収入として得ている額で判断し差し支えない。

第2版
問2-7 法人本部の人事、事業部等で働く者など、介護サービス事業者等のうちで介護に従事していない職員について、新加算等による賃金改善の対象に含めることは可能か。
新加算等を算定していない介護サービス事業所等(加算の対象外サービスの事業所等を含む。)及び介護保険以外のサービスの事業所等の職員はどうか。

(答)
◼ 法人本部の職員については、新加算等の算定対象となるサービス事業所等における業務を行っていると判断できる場合には、賃金改善の対象に含めることができる。

◼ 新加算等を算定していない介護サービス事業所等(加算の対象外サービスの事業所等を含む。)及び介護保険以外のサービスの事業所等の職員は、新加算等を原資とする賃金改善の対象に含めることはできない。

月額賃金改善要件
第2版
問3-1 月額賃金改善要件Ⅰについて、「基本給等以外の手当又は一時金により行っている賃金改善の一部を減額し、その分を基本給等に付け替えることで、本要件を満たすこととして差し支えない。」としているが、一部の職員の収入が減額されるような付け替えは可能か。

(答)
◼ 事業所全体の賃金の水準及び個別の各職員の賃金額については、労働組合との労働協約 や就業規則等に基づき、労使で協議の上設定されるものである。介護サービス事業所等は、月額賃金改善要件Ⅰを満たすような配分を行った結果、事業所全体での賃金水準が低下 しないようにするだけでなく、各職員の賃金水準が低下しないよう努めること。

キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲ
第2版
問4-1 キャリアパス要件Ⅰで「就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備」とあるが、この「等」とはどのようなものが考えられるのか。

(答)
◼ 法人全体の取扱要領や労働基準法上の就業規則作成義務のない事業場(常時雇用する者が10人未満)における内規等を想定している。

◼ なお、令和6年度の処遇改善計画書等の様式の中で、別紙様式7の参考2として、キャリアパスや賃金規程のモデル例を掲載しているため、就業規則作成義務のない事業場においては特に参考にされたい。

第2版
問4-2 キャリアパス要件Ⅱで「介護職員と意見を交換しながら」とあるが、どのような手法が考えられるか。

(答)
◼ 様々な方法により、可能な限り多くの介護職員の意見を聴く機会(例えば、対面に加え、労働組合がある場合には労働組合との意見交換のほか、メール等による意見募集を行う等)を設けるように配慮することが望ましい。

第2版
問4―3 キャリアパス要件Ⅱの「資質向上のための目標」とはどのようなものが考えられるのか。

(答)
◼ 「資質向上のための目標」については、事業者において、運営状況や介護職員のキャリア志向等を踏まえ適切に設定されたい。

◼ なお、例示するとすれば次のようなものが考えられる。
① 利用者のニーズに応じた良質なサービスを提供するために、介護職員が技術・能力(例:介護技術、コミュニケーション能力、協調性、問題解決能力、マネジメント能力等)の向上に努めること
② 事業所全体での資格等(例:介護福祉士、介護職員基礎研修、訪問介護員研修等)の取得率の向上

第2版
問4-4 キャリアパス要件Ⅱの「具体的取り組み」として、「資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を実施(OJT、OFF-JT 等)するとともに、介護職員の能力評価を行うこと」とあるが、そのうち「資質向上のための計画」とはどのようなものが考えられるのか。

(答)
◼ 「資質向上のための計画」については、特に様式や基準等を設けておらず、事業者の運営方針や事業者が求める介護職員像及び介護職員のキャリア志向に応じて適切に設定されたい。また、計画期間等の定めは設けておらず、必ずしも賃金改善実施期間と合致していなくともよい。

◼ その運用については適切に取り組んでいただくとともに、無理な計画を立てて、かえって業務の妨げにならないよう配慮されたい。

◼ 例示するとすれば次のようなものが考えられるが、これに捉われず、様々な計画の策定をしていただき、介護職員の資質向上に努められたい。

第2版
問4-5 キャリアパス要件Ⅱの「介護職員の能力評価」とは、どのようなものが考えられるのか。

(答)
◼ 個別面談等を通して、例えば、職員の自己評価に対し、先輩職員・サービス担当責任者・ユニットリーダー・管理者等が評価を行う手法が考えられる。

◼ なお、こうした機会を適切に設けているのであれば、必ずしも全ての介護職員に対して評価を行う必要はないが、介護職員が業務や能力に対する自己認識をし、その認識が事業者全体の方向性の中でどのように認められているのかを確認しあうことは重要であり、趣旨を踏まえ適切に運用していただきたい。

第2版
問4-6 キャリアパス要件Ⅲとキャリアパス要件Ⅰとの具体的な違い如何。

(答)
◼ キャリアパス要件Ⅰについては、職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備することを要件としているが、昇給に関する内容を含めることまでは求めていないものである。一方、キャリアパス要件Ⅲにおいては、経験、資格又は評価に基づく昇給の仕組みを設けることを要件としている。

第2版
問4-7 キャリアパス要件Ⅲの昇給の方式については、手当や賞与によるものでもよいか。

(答)
◼ キャリアパス要件Ⅲを満たすための昇給の方式は、基本給による賃金改善が望ましいが、基本給、手当、賞与等を問わない。

第2版
問4-8 非常勤職員や派遣職員はキャリアパス要件Ⅲによる昇給の仕組みの対象となるか。

(答)
◼ キャリアパス要件Ⅲによる昇給の仕組みについては、非常勤職員を含め、当該事業所や法人に雇用される全ての介護職員が対象となり得るものである必要がある。

◼ また、介護職員であれば、派遣労働者であっても、派遣元と相談の上、新加算等の対象とし、派遣料金の値上げ分等に充てることは可能であり、この場合、計画書・実績報告書は、派遣労働者を含めて作成することとしている。キャリアパス要件Ⅲを満たす必要がある場合であって、派遣労働者を新加算等の対象とする場合には、当該派遣職員についてもキャリアパス要件Ⅲに該当する昇給の仕組みが整備されていることを要する。

第2版
問4-9 「一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み」とあるが、一定の基準とは具体的にどのような内容を指すのか。

(答)
◼ 昇給の判定基準については、客観的な評価基準や昇給条件が明文化されていることを要する。また、判定の時期については、事業所の規模や経営状況に応じて設定して差し支えないが、明文化されていることが必要である。

第2版
問4-10 新加算の算定のため就業規則等の変更を行う際、役員会等の承認を要するが、当該承認が計画書の提出期限の令和6年4月 15 日までに間に合わない場合、新加算を算定できないのか。

(答)
◼ 処遇改善計画書(別紙様式2-1 2(3))に記載する就業規則等の内容について、令和6年4月 15 日の提出期限までに内容が確定していない場合には、その時点での暫定の内容を記載することとしてよい。その後、内容に変更が生じ、処遇改善計画書に記載の内容の修正が必要となった場合には、適宜、処遇改善計画書の変更を届け出ること。

キャリアパス要件Ⅳ
第2版
問5-1 令和7年度以降月額8万円以上の要件が削除されたのはなぜか。令和6年6月から令和7年3月まではどのように考えればよいか。

(答)
◼ 旧3加算の一本化により、旧特定加算が廃止されることに伴い、旧特定加算による賃金改善額が月額8万円以上という従前の要件の継続が難しくなったことから、令和7年度以降、月額8万円以上の要件について廃止することとしたものである。

◼ ただし、激変緩和措置として、令和6年度に限り、旧特定加算相当の加算額を用いて月額8万円以上の改善を行っていればよいこととしている。その際、「旧特定加算相当の加算額」については、例えば、令和6年6月以降、新加算Ⅰを算定する場合であれば、6月以降も旧特定加算Ⅰを算定し続けた場合に見込まれる加算額を用いる等の適当な方法で推計して差し支えない。

第2版
問5-2-1 新加算等による賃金改善後の年収が 440 万円以上(令和6年度にあっては旧特定加算相当による賃金改善の見込額が月額8万円以上となる場合を含む。以下同じ。)かを判断するにあたっての賃金に含める範囲はどこまでか。

(答)
◼ 「処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金(440 万円)以上」の処遇改善となる者に係る処遇改善後の賃金額については、手当等を含めて判断することとなる。なお、処遇改善後の賃金「440 万円」については、社会保険料等の事業主負担その他の法定福利費等は含めずに判断する。

第2版
問5-2-2 新加算等については、法人単位の申請が可能とされているが、キャリアパス要件Ⅳについても法人単位での取扱いが認められるのか。

(答)
◼ 貴見のとおり。法人単位で申請を行う場合、月額8万円又は年額 440 万円の要件を満たす者の設定・確保を行う場合、法人全体で、一括して申請する事業所の数以上、要件を満たす職員が設定されていればよい。例えば、5事業所について一括して申請する場合、5事業所のそれぞれに要件を満たす職員を配置する必要はなく、全体で5人以上要件を満たす職員が在籍していればよい。

◼ その際、一括して申請する事業所の中に、設定することが困難な事業所が含まれる場合は、処遇改善計画書にその合理的理由を記載することにより、設定の人数から除くことが可能である。

第2版
問5-2-3 キャリアパス要件Ⅳを満たす職員は、経験・技能のある介護職員である必要はあるか。

(答)
◼ 貴見のとおり。経験・技能のある介護職員については、勤続年数 10 年以上の介護福祉士を基本としつつ、各事業所の裁量において設定が可能である。例えば、小規模の事業所であって、介護福祉士の資格を有する者がいない場合には、介護福祉士の資格を有さない者を「経験・技能のある介護職員」としてキャリアパス要件Ⅳを満たす職員に計上して差し支えない。

◼ なお、「勤続 10 年の考え方」については、
 — 勤続年数を計算するにあたり、同一法人のみだけでなく、他法人や医療機関等での経験等も通算する
 — すでに事業所内で設けられている能力評価や等級システムを活用するなど、10 年以上の勤続年数を有しない者であっても業務や技能等を勘案して対象とするなど、各事業所の裁量により柔軟に設定可能である。

第2版
問5-2-4 「年額 440 万円以上」の改善の対象とし、賃金改善を行っていた経験・技能のある介護職員が、年度の途中で退職した場合には、改めて別の職員について、「年額 440 万円以上」の改善を行わなくてはならないか。

(答)
◼ 新加算の配分に当たっては、賃金改善実施期間において、経験・技能のある介護職員のうち、年収 440 万円となる者を1人以上設定することが必要であるが、予定していた者が、賃金改善実施期間に退職した場合等においては、指定権者に合理的な理由を説明することにより、算定要件を満たしたものと扱うことが可能である。

第2版
問5-3 介護給付のサービスと介護予防・日常生活支援総合事業を一体的に運営している場合であっても、新加算等による賃金改善後の年収が 440 万円以上となる者を2人設定する必要があるのか。

(答)
◼ 介護サービス事業者等において、介護給付のサービスと介護予防・日常生活支援総合事業を一体的に実施しており、同一の就業規則等が適用される等、労務管理が一体と考えられる場合は、同一事業所とみなし、年収が 440 万円以上となる者を合計で1人以上設定することにより、キャリアパス要件Ⅳを満たすこととする。

第2版
問5-4 介護給付のサービスと介護予防給付のサービス、施設サービスと短期入所サービス、介護老人保健施設と併設する通所リハビリテーションについても同様に扱うことは可能か。

(答)
◼ 介護給付のサービスと介護予防給付のサービス(通所リハビリテーションと予防通所リハビリテーションなど)については、労務管理が一体と考えられる場合は、同一事業所とみなし、年収が 440 万円以上となる者を合計で1人以上設定することにより、キャリアパス要件Ⅳを満たすこととする。

◼ 特別養護老人ホーム等と併設されている又は空床利用型である短期入所生活介護、介護老人保健施設等と短期入所療養介護についても、同様に判断することが可能である。

◼ 介護老人保健施設に併設する通所リハビリテーション事業所については、原則として、それぞれで、年収 440 万円となる者を設定する必要があるが、キャリアパス要件Ⅳを満たす職員の設定については、処遇改善計画書の作成を一括して行う同一法人全体として満たしていればよいことから、例えば、介護老人保健施設において2人年収 440 万円となる者を設定することとしても差し支えない。(問5-2-2を参照)

第2版
問5-5 共生型サービスを提供する事業所において、新加算等を算定する場合、年収440 万円となる者の設定は、介護サービスのみで設定する必要があるのか。

(答)
◼ 介護保険の共生型の指定を受け共生型サービスを提供している事業所においては、介護保険の共生型サービスとして、年額 440 万円の改善の対象となる者について、1人以上設定する必要がある。また、介護サービスと障害福祉サービスを両方行っている事業所についても同様に扱われたい。ただし、小規模事業所等で加算額全体が少額である場合等は、その旨を説明すること。

キャリアパス要件Ⅴ
第2版
問6-1 介護福祉士等の配置要件について、(地域密着型)(介護予防)特定施設入居者生活介護及び(地域密着型)介護老人福祉施設においては、それぞれ、サービス提供体制強化加算Ⅰ・Ⅱに加えて、入居継続支援加算Ⅰ・Ⅱ又は日常生活継続支援加算Ⅰ・Ⅱを算定することにより、満たしたこととなる。
これについて、通知5(1)④においては、「喀痰吸引を必要とする利用者の割合についての要件等を満たせないことにより、入居継続支援加算や日常生活継続支援加算を算定できない状況が常態化し、3か月以上継続した場合」には、変更の届出を行うこととされているが、3か月間以上継続しなければ、変更届出は不要ということか。

(答)
◼ 貴見のとおり。

◼ 旧特定加算並びに新加算Ⅰ、Ⅴ(1)、Ⅴ(2)、Ⅴ(5)、Ⅴ(7)及びⅤ(10)については、キャリアパス要件Ⅴ(介護福祉士等の配置要件)を満たす必要があり、その要件の適合状況に変更があった場合は、変更の届出を行うこととしているが、「喀痰吸引を必要とする利用者の割合についての要件等を満たせないことにより、入居継続支援加算等を算定できない」場合は、直ちに変更することを求めるものではなく、当該状況が常態化し、3か月間を超えて継続しない限りは、新加算等の加算区分を変更する必要はない。

◼ 一方で、上記の入居継続支援加算等を算定できない状況が常態化し、4か月以上継続した場合には、4ヶ月目以降、新加算等の加算区分の変更が必要となる。

◼ 例えば、7月まで入居継続支援加算等を算定し、新加算Ⅰを算定していたが、喀痰吸引を必要とする利用者の割合についての要件を満たせないことにより8月、9月、10 月と入居継続支援加算等を算定できず、11 月も同様の状況が継続すると分かった場合には、 11 月分の算定から、新加算Ⅰではなく、新加算Ⅱへの加算区分の変更が必要となる。

ただし、新加算Ⅰ等の算定には、各都道府県国民健康保険団体連合会の事業所台帳上で サービス提供体制強化加算Ⅰ・Ⅱ、入居継続支援加算Ⅰ・Ⅱ又は日常生活継続支援加算Ⅰ・ Ⅱを算定可能となっていることが必要であることから、上記の例の場合、事業所台帳上は、 8月から 10 月までの間も入居継続支援加算等の算定を可能としておく必要があることに 留意すること。

第2版
問6-2 要件を満たさない状態が3か月間以上継続しなければ変更届出が不要な場合には、喀痰吸引を必要とする利用者の割合以外に、どのような要件が含まれるか。

◼ 入居継続支援加算及び日常生活継続支援加算における喀痰吸引を必要とする利用者の割合に関する要件に加え、日常生活継続支援加算の新規入所者の要介護度や認知症日常生活自立度に係る要件が含まれる。

◼ これらの要件を満たせないことにより、入居継続支援加算や日常生活継続支援加算を算定できない場合については、その状態が3か月間以上継続しなければ、継続してキャリパス要件Ⅴを満たしたこととして差し支えない。

第2版
問6-3 令和6年度中の新加算の算定対象期間中に、事業所や利用者の状況の変化に伴い、キャリアパス要件Ⅴの適合状況(サービス提供体制強化加算Ⅰ・Ⅱ、入居継続支援加算Ⅰ・Ⅱ又は日常生活継続支援加算Ⅰ・Ⅱの算定状況)が変わったことにより、例えば新加算Ⅴ(1)を算定できなくなった場合、新加算Ⅴ(3)を算定することは可能か。

◼ 新加算Ⅴ(1)~(14)の算定要件は、それぞれ令和6年5月時点で、旧3加算の所定の組み合わせを算定していることであることから、令和6年6月以降に、新加算Ⅴのある区分から、新加算Ⅴの別の区分に移行することはできない。(問8-2参照)

◼ 令和6年6月以降に、例えば新加算Ⅴ(1)を算定していた事業所が、令和6年6月以降にキャリアパス要件Ⅴを満たすことができなくなった場合、新加算Ⅴ(1)を継続して算定することはできない。その際、キャリアパス要件Ⅴ以外の要件が同じ加算区分としては新加算Ⅴ(3)があるが、上記のとおり、新加算Ⅴ(1)を算定していた事業所が新加算Ⅴ(3)を新規に算定し始めることはできないため、新加算Ⅴ(1)から新加算Ⅱに移行することが適当である。

◼ 新加算Ⅱを新規に算定し始めるに当たり、追加で満たす必要のある要件は、下表の左欄に掲げる移行前(キャリアパス要件Ⅴを満たせていた期間)の加算区分に応じて、それぞれ下表の右欄のとおりである。なお、キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲについては、令和6年度中の対応を誓約することで満たしたこととなるため、新加算Ⅱを算定するために直ちに必要になるのは、月額賃金改善要件Ⅱのみとなる。

職場環境等要件
第2版
問7-1 職場環境等要件の 24 項目について、毎年、新規に取組を行う必要はあるのか。

(答)
◼ 新加算等を前年度から継続して算定する場合、職場環境等要件を満たすための取組については従前の取組を継続していればよく、当該年度において新規の取組を行う必要まではない。

第2版
問7-2 各項目について、それぞれの項目を満たすために、項目内に列挙されている取組の全てを満たさなければならないのか。

(答)
◼ それぞれの項目を満たすためには、項目内に列挙されている取組のうち、一つ以上満たせばよい。例えば、「入職促進に向けた取組」区分の「事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築」という項目の場合、「事業者の共同による採用」のみを実施することで、本取組を満たしたことになる。

第2版
問7-3 「資質の向上やキャリアアップに向けた支援」の区分において、「研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動」とあるが、「キャリア段位制度」とは何か。

(答)
◼ 介護プロフェッショナルキャリア段位制度は、介護職員が保有している介護の実践スキルについて、どのレベルまで保有している(できる)のか、所属する事業所・施設で実践スキルの「できる」・「できていない」評価を行い、その評価結果をもとに全国共通のレベルにて認定する制度である。詳細については、介護プロフェッショナルキャリア段位制度のウェブサイトをご参照いただきたい。 https://careprofessional.org/careproweb/jsp/

第2版
問7-4 「両立支援・多様な働き方の推進」の区分において、「有給休暇が取得しやすい環境の整備」とあるが、具体的な取組事例はあるか。

(答)
◼ 例えば、以下の取組を想定している。
 — 有給休暇を取得しやすい雰囲気・意識作りのため、具体的な取得目標(例えば、1週間以上の休暇を年に●回取得、付与日数のうち●%以上を取得)を定めた上で、取得状況を定期的に確認し、身近な上司等からの積極的な声かけを行う
 — 情報共有や複数担当制等により、業務の属人化の解消、業務配分の偏りの解消を行う

第2版
問7-5 「生産性向上のための業務改善の取組」の区分の取組について、参考にできるものはあるか。

(答)
◼ 厚生労働省の「介護分野における生産性向上ポータルサイト」をご参照いただきたい。
https://www.mhlw.go.jp/kaigoseisansei/index.html

その他
第2版
問8-1 地域密着型サービスの市町村独自加算については、新加算等の算定における介護報酬総単位数に含めてよいか。

(答)
◼ 新加算等の算定における介護報酬総単位数に含める取扱いとなる。

第2版
問8-2 令和6年6月以降に、新加算Ⅴのある区分から、別の新加算Ⅴの区分に移行することは可能か。

(答)
◼ 新加算Ⅴ(1)~(14)の算定要件は、令和6年5月時点で、それぞれ下表に掲げる旧3加算の所定の組み合わせを算定していることであることから、令和6年6月以降に、新加算 Ⅴのある区分から、新加算Ⅴの別の区分に移行することはできない。

第2版
問8-3 一括して申請する事業所数が 10 以下の事業所であっても、別紙様式6ではなく、別紙様式2を用いてもよいか。

(答)
◼ 貴見のとおり。

第2版
問8-4 別紙様式2及び別紙様式3について、100 事業所までしか対応しない様式となっているが、101 事業所以上を一括して申請したい場合はどのようにすればよいか。

(答)
◼ 最大 1200 事業所まで対応可能な様式を厚生労働省ホームページの「介護職員の処遇改善」のページに掲載しているため、活用いただきたい。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202201_42226.html

第2版
問8-5 新加算で算定する加算区分について、どのように検討すればよいか。

(答)
◼ 移行先の検討を補助する支援ツール(移行先検討・補助シート)を厚生労働省ホームページの「介護職員の処遇改善」のページに掲載しているため、活用いただきたい。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202201_42226.html

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