【障害福祉】業務継続計画(BCP)未策定減算のポイント【令和6年度障害福祉報酬改定】
障害福祉事業所向け:業務継続計画(BCP)未策定減算のポイントを解説【令和6年度改定】
概要
感染症や災害が発生した場合であっても、必要な障害福祉サービス等を継続的に提供できる体制を構築するため、業務継続に向けた計画の策定の徹底を求める観点から、感染症又は非常災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、基本報酬を減算する。その際、一定程度の取組を行っている事業所に対し経過措置を設けることとする。
単位数
【全サービス】
業務継続計画未策定減算:
・ 100分の3に相当する単位数を減算
(療養介護、施設入所支援(施設入所支援のほか、障害者支援施設が行う各サービスを含む)、共同生活援助、宿泊型自立訓練、障害児入所施設)
・ 100分の1に相当する単位数を減算
(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援、短期入所、生活介護、自立生活援助、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、計画相談支援、地域移行支援、地域定着支援、障害児相談支援、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援(障害者支援施設が行う各サービスを除く))
算定要件等
○ 以下の基準に適応していない場合、所定単位数を減算する。
・ 感染症や非常災害の発生時において、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(業務継続計画)を策定すること
・ 当該業務継続計画に従い必要な措置を講ずること
※ 令和7年3月31日までの間、「感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備」及び「非常災害に関する具体的計画」の策定を行っている場合には、減算を適用しない。
ただし、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援、自立生活援助、就労定着支援、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援、計画相談支援、障害児相談支援、地域移行支援、地域定着支援については、「非常災害に関する具体的計画」の策定が求められていないこと等を踏まえ、令和7年3月31日までの間、減算を適用しない。
※ 就労選択支援については、令和9年3月31日までの間、減算を適用しない経過措置を設ける。
令和6年度障害福祉報酬改定 Q&A VOL.1~VOL.3
(業務継続計画未策定減算①)
VOL.1
問 14 業務継続計画未策定減算はどのような場合に適用となるのか。
(答)
感染症若しくは災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合や、当該業務継続計画に従い必要な措置が講じられていない場合に減算の対象となる。
なお、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定において、業務継続計画の策定と同様に義務付けられた、業務継続計画の周知、研修、訓練及び定期的な業務継続計画の見直しの実施の有無は、業務継続計画未策定減算の算定要件ではないが、その趣旨を鑑み、これらの業務継続計画の周知等の取組についても適切に実施していただきたい。
(業務継続計画未策定減算②)
VOL.1
問 15 行政機関による運営指導等で業務継続計画の未策定など不適切な運営が確認された場合、「事実が生じた時点」まで遡及して当該減算を適用するのか。
(答)
業務継続計画未策定減算については、行政機関が運営指導等で不適切な取り扱いを発見した時点ではなく、「基準を満たさない事実が生じた時点」まで遡及して減算を適用することとなる。
例えば、生活介護事業所が、令和6年 10 月の運営指導等において、業務継続計画の未策定が判明した場合(かつ、感染症の予防及びまん延の防止のための指針及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っていない場合)、令和6年 10 月からではなく、令和6年4月分の報酬から減算の対象となる。
また、居宅介護事業所等の令和7年4月から業務継続計画未策定減算の対象となるサービスの事業所について、令和7年 10 月の運営指導等において、業務継続計画の未策定が判明した場合、令和7年4月分の報酬から減算の対象となる。