【注意喚起】訪問介護で廃業したくないなら開業時に創業融資を受けましょう
訪問介護事業の安定経営には、開業時の創業融資が不可欠です
訪問介護事業所の廃業や倒産が社会的な問題となっています。主な原因は令和6年報酬改定による基本報酬の引き下げとされています。ただ、本当に基本報酬の引き下げだけが原因でしょうか?無計画な起業による早期廃業も少なくはないと考えています。
訪問介護で廃業したくないなら、開業時に事業計画を策定して、創業融資を受けてください。
創業融資を受けずに訪問介護を開業される方をよくお見掛けします。
常勤(経営者)1+非常勤(登録ヘルパー)で開業するパターンですね。
このパターン非常に危険です。2年以内の廃業率は非常に高いと思われます。
創業融資を受けていないと、従業員の給与を支払う資金に乏しいため、常勤(経営者)中心の訪問となります。
その結果、バックオフィス業務が片手間になります。
そして、訪問介護の経営者の方は、バックオフィス業務経験が少ないことが多いです。
バックオフィス業務経験の少ない方が、片手間にバックオフィス業務を行った場合、当然ですが、バックオフィス業務はボロボロになります。
結果
・ レセプトの返戻率が高まり資金繰りが悪化
・ 資金繰りの悪化により、ファクタリングなどの高金利サービスを利用することで、財務状況が更に悪化
・ 給与計算や支払ミス等の労働環境の悪化による従業員の早期離職
・ 従業員の早期離職による求人広告や紹介料等の採用費の増加
・ 上位の処遇改善加算や特定事業所加算の要件を整備する時間や外部委託する資金もないため、財務状況が改善される見込みもない
端的に言うと『廃業するしかなくなります』
繰り返しになりますが、訪問介護で廃業したくないなら、開業時に事業計画を策定して、創業融資を受けてください。
また、常勤(経営者)1+非常勤(登録ヘルパー)の体制は、非常勤の稼働が少ない場合、常勤換算2.5名を割ってしまうこともあるでしょう。常勤換算2.5名を割ってしまった場合、指定権者である都道府県や市に報告・相談をする必要があります。
ただ、常勤換算人員数を把握すらしておらず、報告していない事業所も少なくないと考えています。しかしこれは明らかな運営基準違反です。
公費を主な収入とした事業である以上、ルールを守りコンプライアンス意識を持った運営を心がけましょう。
そもそも、非常勤をこれだけ稼働させますという申請内容で指定を受けているにも関わらず、利用者が少ないと言う理由で非常勤の出勤を減らし、故意に常勤換算2.5名を割るような運営方法は明らかな不正行為です。
利用者の少ない開業当初に常勤換算2.5名を維持するためにも、創業融資による資金力が必要不可欠です。
繰り返しになりますが、公費を主な収入とした事業である以上、ルールを守りコンプライアンス意識を持った運営を心がけましょう。