【訪問看護】理学療法士等による訪問看護の評価の見直し減算【令和6年度介護報酬改定】
令和6年度報酬改定!訪問看護ステーションにおけるリハビリ減算を解説
理学療法士等による訪問看護の評価を見直したのは、訪問看護において看護師が担うべき役割を明確にし、利用者の状態に合わせた適切なサービス提供を促すためです。背景には、理学療法士等の訪問が増える一方で、看護師の訪問が減り、看取りや重症者への対応が手薄になるなど、サービスの実態と本来の役割との間にズレが生じていたことがあります。この見直しで、看護師が中心となり利用者の状態を把握し、理学療法士等と連携することで、質の高いサービス提供が進むことが期待されます。
概要
理学療法士等による訪問看護の提供実態を踏まえ、訪問看護に求められる役割に基づくサービスが提供されるようにする観点から、理学療法士等のサービス提供状況及びサービス提供体制等に係る加算の算定状況に応じ、理学療法士等の訪問における基本報酬及び 12 月を超えた場合の減算を行う。
単位数
【訪問看護】
①:厚生労働大臣が定める施設基準に該当する場合 ▲8単位/回
【介護予防訪問看護】
①:厚生労働大臣が定める施設基準に該当する場合 ▲8単位/回
②:12月を超えて行う場合で①を算定している場合 ▲15単位/回(①から更に減算)
12月を超えて行う場合で①を算定していない場合 ▲5単位/回
算定要件等
① 厚生労働大臣が定める施設基準
次に掲げる基準のいずれかに該当すること
イ 当該訪問看護事業所における前年度の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問回数が、看護職員による訪問回数を超えていること。
ロ 緊急時訪問看護加算、 特別管理加算及び看護体制強化加算をいずれも算定していないこと。
② 利用を開始した日の属する月から起算して12月を超えた期間に介護予防訪問看護を行った場合
令和6年度介護報酬改定 Q&A VOL.1~VOL.5
VOL.1
問 28 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士(以下「理学療法士等」という。) による訪問看護の減算の要件である、 前年度の理学療法士等による訪問回数は、 連続して2回の訪問看護を行った場合はどのように数えるのか。
(答)
理学療法士等による訪問看護の減算に係る訪問回数については、理学療法士等が連続して2回の訪問を行った場合は、1回と数える。 例えば、理学療法士が3月1日と3月3日にそれぞれ2回ずつ訪問を実施した場合、算定回数は4回であるが、訪問回数は2回となる。また、 理学療法士等が3月5日の午前に1回、午後に連続して2回訪問を実施した場合は、 算定回数は3回、訪問回数は2回となる。
VOL.1
問 29 前年度の理学療法士等による訪問回数はどのように算出するのか。
(答)
居宅サービス計画書、訪問看護報告書及び訪問看護記録書等を参照し、訪問回数を確認すること。
VOL.1
問 30 前年度の理学療法士等による訪問回数には、連携型の定期巡回・随時対応型訪問介護看護による訪問回数は含まれるか。
(答)
含まれる。
VOL.2
問1 減算の要件のひとつに「当該訪問看護事業所における前年度の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問回数が、看護職員による訪問回数を超えていること。」とあるが、この訪問回数は、訪問看護費と介護予防訪問看護費で別々で数えるのか。それとも合算して数えるのか。
(答)
指定訪問看護事業者が指定介護予防訪問看護事業者の指定を合わせて受け、一体的に運営されている場合については合算して数える。
同様に、緊急時(介護予防)訪問看護加算、特別管理加算、看護体制強化加算((Ⅰ)又は(Ⅱ)あるいは(予防))に係る要件についても、訪問看護費と介護予防訪問看護費における双方の算定日が属する月の前6月間において、加算の算定実績がない場合には、所定の単位を減算する。